妹彼女
そう考えると、今までの俺がバカみたいだ…。空が事故にあったのは小学1年の時なのに、9年間もそれに固執していた。
空は事故のことを覚えてないんだから、空からすれば俺はただの兄バカだ。


「そっか…、そう……だよな……」


涙腺が緩くなり、泣いてしまった。


「海!?おい、大丈夫か!?」


崩れるように泣く俺を大地が心配そうに肩に手を置く。


「俺…、ウザい兄貴だな…。ホント…情けないよ…、双子だからって…。あいつのこと…なんでも分かってる気になってた……」


初めて俺が泣くのを見た榊と冬真は何もできないでいた。


「………、あのな…海…実は…」


「「間もなく、集合時間です!生徒はグラウンドに集まって下さい!」」


何か大事なことを言おうとした大地を、放送が止め、俺は急いで涙を拭く。


「行けるか?」


「あぁ、ごめん…」


まだ分からないことは多いが、メリハリはきっちりするタイプなので、考えるのを止めてグラウンドに行く。


大地の話をちゃんと聞いていれば、あんなことにはならかったかもしれない…


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