妹彼女
~ⅡⅩ~ 海地
「何がだ?感謝するのは俺の方だろ?なんで海が?」


「いや、俺はお前に会えて良かった。お前と親友になれて良かった。たまに思うんだ。

大地は俺が思い描く最も憧れた、『高校生』だってな。」


「高校生?」


「今日冬真と話してたよな?俺も少し見てたんだけど、その時思ったんだ。

大地みたいに、
友達とくだらないことでも笑い合い
彼女のことを一生懸命考えて
勉強に慌てて取り組む。

ホントに羨ましかった。お前に比べたら、俺はつまらない人生を送ってるなって…。
だから…お前と親友になれた俺は、幸せだなって…そういう意味でのありがとうだ。」


「そんな…俺だってお前が羨ましいよ。
なんだってできて、なんでも知ってて、愛すべき妹彼女がいて…。
俺だって、お前と親友になれて嬉しいよ。てか、俺なんかと親友になってくれて、俺の方がありがとうだよ…」


「ふ…、…これからも、俺の親友でいてくれるか?」


ベットの端から手が出てきた。


「あぁ、俺の方こそ、頼むよ。」


パンッと、手を叩き、軽く握った。




俺の名前は大地…


大きな海に囲まれ、空に見守られ、緑を育む…


俺の名前は、大地…


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