妹彼女
買う服が決まったのか、レジで会計している。俺は先に終わった空を呼ぶ。


『何?兄貴。』


「後ででいいんだけどな、小海に…」


「私がどうしたの~?」


想像以上に早く会計を終わらせ、すでに俺の目の前にいた。


「え、あ、えっと。小海ってさ、今彼氏いる?」


結局俺が言うはめになり、大地は真剣に耳を傾ける。小海は少し考えた。


「今はいないよ。でも海君なら大歓迎だよ。」


は?何言ってんだ?俺じゃなくて大地だっての。


「あ!ねぇ海君の海(かい)って海(うみ)って字?」


「そうだよ?」


「へぇ~。私も小さな海って書いて小海(こうみ)なんだ。海仲間だね。よかったら夏に一緒に海に行く?二人っきりで。」


?、?、?。なんなんだ?こいつ。俺が興味無いって、分からねぇのか?


「いや、君も忙しいだろ?こんな風に会える機会なんて、もう無いよ」


冷たく言ったが小海はまだ諦めていない。


「じゃあさ、メアドだけでも教えてよ。」


こいつ、間違いない。俺を好いてる……
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