【短】空っぽの少年
彼をソファに寝かせ

お湯を沸かす…




部屋は静寂に包まれた。




「…ん」

やがて彼が目を覚ます



「…あれ…ここは?」

「あ…おはよう」


「……」

「……」

彼の丸い瞳が私を見据える。




しかし次の瞬間その瞳が揺らいだ




「ま…まさか…誘拐?!」

「…は?」

「お姉さん…
僕を食い物にするの?!」


何を言ってるんだ…この子は…


「別にそんなんじゃ…」

「ふじょぼーこーだ!」

いや…男だろ…お前



気付いたら私は履いていたスリッパで少年の頭をひっぱたいていた。

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