【短】雨がやんだら
腕を引いて
雫を引き寄せて抱きしめた。
胸の中であわてふためく雫が
愛しくて仕方ない。
「好きだよ」
いうべきことは沢山あるのだけど
今は
ただそれを伝えたくて。
その言葉を聞いた雫は
ピタリと動きを止め、固まる。
「雫がずっと好きだった」
顔を見られていないのをいいことに
俺は素直に気持ちを表す。
そんな俺に対して
しばし固まり続けた雫は
「なんで先に言うのー…っ」
震えた声で訴える。