うさ耳ダーリン
それもこれも、ベアンが悪いっ!


どうせ面白そうだからって理由だけで、行動したに決まってる。


なにしろここまで連行される途中、


『城までタダで送ってもらえるなんて、ラッキーでしたねぇ』


なんて、


全く悪びれもせずにニコニコとほざいた口だ。


まったくぅぅっ!!!


「どぉこがラッキーだってのよっ」


悪夢の間違いでしょ!


諦めてペタリと床に座りこむと、石の固さと冷たさにブルッと一瞬身体が震えた。


牢屋の中には造り付けの小さなベッドに、申し訳程度にちょこんと置かれた簡易トイレ。


じめじめとした石壁に囲まれ、頑丈な扉に鉄格子のはめられた小さな窓口が一つ。


…どうひいき目に見たって、素敵な状況とは言い難い。
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