胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


「身勝手なのは・・・俺もよくわかってる。でも、正直な気持ちを聞いて欲しい。」



俺は、ベンチに座りちゃんと目を見て伝えた。



「これから一緒に生きていきたいと思うのは、ゆかりだけなんだ。だけど、今はどうしても恵を放っておけない・・・」



ゆかりもきっと俺を軽蔑してる。


何開き直ってんだよ・・・俺。


どちらも選べない、馬鹿な男だ。




その時、木の陰から新しく入ったバイトの女の子が飛び出してきた。



「ひどい!!!!!そんなの勝手過ぎます。ゆかり先輩のキモチ考えてください!!」



今まで一度も話したことのない子だったけど、

俺は言われた言葉が正しいと思った。



その子がゆかりの手を引っ張って、店へ走っていった。


ゆかりは、振り向きもせず去って行った。



俺は、一人残され・・・タバコを吸っていた。



「ど~も!!たくやくん!!」


俺の背後から声がして、俺はビクっとして振り返る。



そこには、さっき公園の周りをぐるぐると回っていたうるさい車・・・


窓から顔を出している軽そうな男の後ろから、どこかで見た女が座ってる。



「たっくんですよねぇ?覚えてますか?依子です。」

「ど~も!!ゆかりの元彼の龍です。」


・・・まじかよ・・・


ゆかりの元彼・・・相当悪そうだし・・・


見られてないよな・・・さっきの・・・


「俺が言うのもなんだけどぉ・・・大事にしろよな、ゆかりのこと!」


「・・・はい・・・」




俺は、年下の龍にビビって敬語なんか使ってる・・・



「何があったか知らないけど、強そうに見えてあいつ弱いから、すぐ逃げ出しちゃうよ・・」



そう言って、また車は低い音を立てて、走り出す。
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