胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


「泣くなぁ・・・男の子だろぉ?」


先生が俺の肩を抱いてくれた。


俺、もう大人だけど・・・


やっぱり誰かの胸で泣くのは


嬉しかった・・・



「俺・・・ゆかりが好きだし・・・ゆかりと結婚したいし・・・だけど・・・今・・俺が恵のそばにいてやらないと・・あいつ死んじゃうかもしんない・・・だから・・・俺・・・」


こんな風に誰かの前で泣くのは、初めてかもしれない。


親の前でも泣いたことなんてなかった。


先生が俺の頭を抱き寄せて、優しく撫でてくれて


俺は子供に戻ったようだった。




先生はすげぇよ・・・


大きい。


強い。


優しい。


かっこいい。



俺には到底かなわない・・・




「そりゃ・・・悩むなぁ・・・お前は、優しすぎるんだな・・よしよし・・・」


俺、怖かった。


恵が、また手首を切るのが・・・



俺、やっぱり恵のこと大事だし・・・

俺しかいないって言われるとそれを信じてた・・・


「お前は間違ってないよ・・でも、それをちゃんと話さないのが間違いだぞ。俺も、直も中田もそんな事実を知らない。大事な彼女なのに、どうして隠す?ちゃんと話せば、わかってくれるのに・・・」


先生・・・


先生・・・



俺・・・まだ間に合うかな・・・


「まぁ・・・俺もいろいろ経験してきてわかったことだけどな。直のこと・・・俺も泣かせたことあるし・・ちゃんと伝えられなくてすれ違ったこともある・・」



「俺・・・やっぱ、失いたくない・・・ゆかりのこと・・・」


「やっと気付いたの?遅いよ・・・今日の夜でも、ちゃんと話し合えよ!」
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