胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~

昔と何も変わらないな・・・



俺に向かって走ってくるその姿は。




卒業式を思い出す。


坂道を転げるように走って来たっけ。



俺は、これから何度ここでお前を待つことができる?



「たっく~~ん!!お待たせ。」


ピンクのカーディガンに細身のハーフパンツ。


完全に女子大生って雰囲気じゃん・・・



「きゃぁ!たっくんですか?美亜って言います。」


ゆかりの隣を一緒になって走って来た子が元気良く俺に挨拶する。


「あ・・・どうも。いつもお世話になってます。」


なんだ・・・この返答。


俺、保護者?


「あのね、たっくん。今、同じ学科で一緒にいつもいる美亜ちゃんだよ!」


美亜って子は、とにかく明るくて元気。


ペコリって頭下げた後、また大声で話し出す。


「ちょっとぉ!めちゃくちゃかっこいいです!!ゆかりとお似合い!誰か友達紹介して下さいよ!」


横でゆかりはくすくすと笑ってた。


直とはタイプの違う美亜だけど、ゆかりの笑顔見てると、結構気が合うんだろうな。


「どんなのがタイプ?友達、彼女いないヤツ多いよ!」


俺も、そういうお節介っぽいことは嫌いじゃない。


「まじですか?あの、贅沢言ってもいいですかぁ?」


「ハイ、どうぞ!」


それから、俺とゆかりは美亜の贅沢な要望に大笑いしてしまった。



・・・優しくて、頼りになって、人前でベタベタしないんだけど、2人の時はちょっと甘えん坊・・・だけど、ちょっぴりいじわるな人。



「まとめてみると、Sっぽい男ってことだな!」


俺の頭には、もうピッタリのヤツが浮かんでた。

俺の大学の友達、隆介・・・
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