胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
1番後ろの1番端の席は

誰からも見えない死角。



俺の手は…

ゆかりの細い指を求める。


伸びてくるゆかりの手は、俺の太ももに乗せられる。


左に座るゆかりの首筋に息を吹き掛けただけで…

もうゆかりはトロンとした目をしてる。

「あ…」


突然、静まり返る映画館に、一瞬響くエロい声。


スクリーンでは、犯人と刑事の睨み合いが続いてる。


静か過ぎて、俺の興奮した息遣いまで聞こえそう。


ゆかりの腰に手を回すと、ゆかりの鼓動が指に伝わる。



犯人が刑事に向かって発砲したのをきっかけに、激しい撃ち合いとなった。


その間に、俺は激しくキスをした。


映画が終わる寸前までキスをし続けた。


しばらく、動けない俺達は…映画に相当感動したかのように、スクリーンを最後まで見つめてた。
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