胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
土曜の昼下がり、一人草の上に寝転ぶ俺。


明日の今頃は、俺はここで泣いてるかも知れない。





雲を眺めながら、今までのこと思い出す。




恵のこと。


ゆかりに逃げられたこと。


乱れてた俺。


キャバクラ通いの日々…





キャハハハハハ…


甲高い笑い声が聞こえて、あの宝石のような店を思い出す。


懐かしい記憶が甦る。


奈津姫、愛柚、よる…


そして、千恵理。




「あっれ~~?卓弥君じゃない?」


んん??



俺はここがどこだかわからないくらいに空想の世界に飛んでいた。



「あれ??よるさん?」



俺の目の前で、優しく微笑むのは よるさんだった。


優しい微笑みが印象的だったから、笑顔を見てすぐにわかったけど…


化粧薄いし!!

Gパン履いてるし!!


別人じゃん…




しかも驚いたことに、隣にはかわいい子供を連れていた。


「えぇ??もしかして、結婚してたの?」


俺は、自分の体を起こしながら目を見開いた。



「内緒にしてただけよ。仕事もう辞めたんだぁ。ほら、あれ旦那よ!」


よるさんが指差した先には、小さな男の子とキャッチボールする男性。


さすが、よるさんだと思った。

選ぶ男もやっぱり素敵な人だった。


黒い肌に、短い髪。


引き締まった体がどことなく先生に似ている。


子供に向けられる笑顔が無邪気で…


よるさんは幸せなんだろうなって旦那さんを見ればわかる。


この2人にも、いろんな事があったのかな。

俺とゆかりみたいに、傷つけあったり…

不安になったり… 別れたり…



「まだ、寂しそうな顔してたよぉ!元気出しなよ!卓弥君はいい男なんだから!」


背中を叩かれた。



「ちゃんと、彼女大事にしなさいよ!応援してるからね!」


頭を叩かれた。



俺は、涙が出そうになって黙って頷くことしかできなかった。



よるさんとその家族の姿が涙でにじむ。













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