胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
【卓弥】夜が来る
【卓弥】




あっという間に


暗闇はやってくる。




暗くなりそうだと思った瞬間、もう真っ暗になる。



一瞬にしてオレンジ色の空が、灰色に…黒に変わる。




まるで


俺とゆかりの関係のように…




俺達はいつも突然で…



ラブラブだったかと思うと、すぐに何かの壁にぶち当たり…


傷つけ合う。





だけど


俺は少しは変わったよ。




昔なら、また逃げてた。




考えたくなくて


酒飲んだり……




この2ヶ月、一度も他の女に逃げたりしてない。



誘惑がなかったわけじゃない。



落ち込んでる俺に、大学の友達である麗奈が近づいてきた。


軽く相談に乗ってもらっているうちに…


好きだって言われた。



最初から俺を好きで近づいてきたのか、


弱った俺の話を聞いているうちに好きになったのか…



わからないけど。




昔の俺なら


断れなかったかも知れない。




髪質がゆかりに似ていた。




それだけだけど…


昔の俺なら、


麗奈の髪に

ゆかりを感じて、抱いてしまったかもしれない。





それくらい、ゆかりを求めてた。



ゆかりに似た人ばかりに目が行ってしまう。



麗奈は、言った。



「私なら、卓弥を泣かさない。」



潤んだ目に、甘えたくなった。



だけど、麗奈と一緒にいると…


ゆかりともう会えないような気がした。


麗奈は俺を泣かさない。



だって、麗奈にひどいことをされても、俺はこんなに苦しくならないから………



俺を苦しめたり、喜ばせたりできるのは


世界でゆかりだけだから。
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