胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~



野間さんはその缶をじっと見つめ、何度か頷いた。


「もうちょい…ってとこか。」



強い風が吹き、缶が少し揺れた。




どんな強い風が吹いても


雨が降っても


揺れないくらいの強い気持ち。




私も


たっくんも


それを求めて、悩み、迷い、傷つけ合った。




どうかな……



私の愛……



嵐が来ても


大丈夫だよね?





「あの彼氏に約束したんだけどな。幸せにするって……」



野間さんのその言葉を聞いて



たっくんの決意の訳が理解できた。




だから……



距離置こうなんて、言ったんだ。




涙が零れそうになるのを必死で我慢した。



泣きたくなかった。




悔しかった。




何もかもわかったような


余裕な顔で 笑う野間さん………



器用に恋ができる大人の人。




ひどいよ…



たっくんの柔らかい透明な心に、野間さんがナイフで傷をつけた。



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