胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~



ありがとなぁ…




いつの間にか夕方になってた。



俺はここにいる猫に『ゆかり』って勝手に名前を付けた。



本物のゆかりに言えなかったことを猫の『ゆかり』が聞いてくれた。






わかってる。



もう終わりだ。







ありがとなぁ、猫の『ゆかり』


こんな俺を見捨てないで

ずっと傍にいてくれて…




ゆかり 今までありがとなぁ。


優柔不断で誰にでも優しくて、

いっぱい馬鹿なことした俺を許してくれて…


信じてくれて…




マジ


ありがとう。











夕日が沈もうとする頃、猫の『ゆかり』は、甘えた鳴き声を俺に残しながら…去って行った。







我慢してた涙が



溢れて   



止まらなくなった。













今度こそ



さよなら………だね。








雲が夕焼け色に染まり、

高校の校庭から聞こえていた声も

だんだん聞こえなくなってきた。





一人って



こんなに



寂しいんだな。







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