胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~


保育士になりたいと思った理由は、子供が好きだってことと……



過去に忘れられない辛い思い出があるから………





幼稚園の年少だったか……



忘れもしない、ピアニカの授業。



当時、教室はとても広く感じた。



いつも、粘土の匂いがしていた。



ピアニカをロッカーに直しに行った時、幼稚園の先生が言ったんだ。



「誰かうんちしたでしょ?」



なんとなく、うんちの匂いがしたような気もする。



1番近くにいた私に先生が言った。

先生の名前は安井先生。


「ゆかりちゃん、正直に言いなさい。うんちもらしちゃった?」



教室のみんなが私を見てた。



私は大きく首を二回横に振った。




そして………………





私のパンツを下げた。





たくさんの友達の前で………




ねぇ、安井先生。




私は小さいけれど、女の子なんだよ。



子供だけど、


恥ずかしいって気持ちがあるんだよ。




私、うんちもらしてないよ。



「あ……ごめんね。ゆかりちゃんじゃなかったね。」



安井先生は、私のパンツを見て、そう言うと………



そのまま私から離れた。





……………パンツ下ろしたままだよ。




どうして、みんなの前で私が自分でパンツを上げなきゃいけないの?




笑い声が今も耳に残る。




安井先生も笑ってた。



自分のした行為をごまかす為に、笑ってた。





今までの人生で


1番古い、傷付いた思い出。





誰にも話したことは、ないけれど………




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