胸キュンMonday ~甘く切ないすれ違いの恋~
「おい…そろそろ休憩だぞ!」


丸いメロンに包丁を刺そうと踏ん張っている私に甘い声をかける。



「ほら、貸してみ。」


軽々と、まだ硬いメロンを2つに切る。


その力強い腕が好きだ。


「早く行こうぜ…」



たっくんは、私の服の裾を引っ張る。


「後は、私切っとくよ!」

バイト仲間の一人が優しく微笑んで、メロンを受け取る。



さっきの店長の一言で、みんなが全てを知っているようにも思える。



私とたっくんは、エプロンを外し…

早足でトイレへ。



少し重い木目調の扉をゆっくりと押す。


何度も何度も愛を確かめ合ったこの場所。


白と黒の石で敷き詰められた床。

コンクリートの壁に映る影…


赤いライト…



ここで


いっぱい愛を感じて

仲直りして

ケンカして…




思い出だらけだね。





その扉の向こうには…


2人だけの秘密の時間。




甘い 甘い エッチな場所。




私とたっくんだけの秘密の月曜日だけの時間。




私の手を握る愛する人の手。


この手は

もう私を裏切らない。


振り向く優しい笑顔。


私はこの笑顔を裏切らない。




もう 見えるから…



2人の未来が…






―――― ガチャ ―――





ゆっくりと扉が開く。





そこには


誰も邪魔できない


誰も入り込めない 2人だけの世界……



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