求命
背中に拡がる波紋
慣れない仕事のせいで、家に着くなり眠りについてしまった。この時間はいつもならテレビをぼんやりと視ている時間だ。その癖は今日も出ていた。眠る前までのほんの一瞬の間に、リモコンのスイッチを押していた。ニュースキャスターの声を子守歌に、大伍は深い眠りについていた。
二日目も同じだった。三日目も同じになるはずだった。しかし、違った。テレビは必死にそれを伝えている。にも関わらず、大伍はその隣で眠りについていた。
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