Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
顔には出さないけど、居心地悪そうな印象を受けた。



周りの連中も、聖女の制服着てる翠子を見て驚いてるし。



場違いなところに翠子を連れてきて、少し彼女に申し訳なく思った。



「学校帰り、寄り道しないの?」



「まっすぐ帰ります。」



「……。」



会話、続かねー!!



彼女いない歴=年齢っていう俺が、お嬢様相手の会話ネタなんて持ってるわけない。



ネタの神様がいるなら、今すぐ俺にネタを授けてくれ!



そんなコト考えたところで降ってくるわけもなく、まいったな…。



なんて思ってたら、翠子が薄ピンクの封筒を渡してきた。



「コレ、開けても良い?」



翠子が頷いたので、早速開けてみた。



便箋を広げると、いい香りがふわっと広がる。



そういえば、翠子からも同じ香りが漂っていた。



その髪に顔埋めて、クンクン嗅ぎてぇ…。



って、俺は何考えてんだ!



「…プロフィール?」



「あの、私…上手く話せないかもって、それで…。」



緊張してるのか、膝の上に乗せた翠子の手が震える。



その震えを止めたい一心で、俺は翠子の手を握った。



そっと翠子を盗み見ると、顔を真っ赤にしつつも嬉しそうだ。



震えはすぐ治まったけど、手を離すのがもったいなくて…しばらく握ったままにした。





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