Sour & Sweet(バレンタイン&ホワイトデー企画)
chap.4

翠子サイド

発表会の翌日、校門を出たところで男子に呼び止められた。



隣接する名門進学校の生徒で、1つ年上の3年生。



確か、万年3位の大雅(タイガ)さんって呼ばれている方だ。



この方の学年には、眉目秀麗・成績優秀・スポーツ万能という天から二物も三物も与えられている方が2人もいらっしゃって、私が通う学園内にもファンがたくさんいる。



友人のお兄さまだということもあって、私の周囲ではあまり騒ぎにはならない…というより、騒げない。



あの2人がいなかったら、大雅さんは確実に女子の人気をさらっただろうと思われる。



だけど、その進学校の中で誰々のファンなどという話は、優さんを想っている私にとっては…どうでもいいこと。



「この前、黄金さんが他校の男子とハンバーガー食べてるとこ見かけた。」



「ええ、ご馳走になりましたわ。」



「…彼氏?」



「いいえ。」



非常に残念だけど、恋人という関係ではない。



「だったら、あの男と行動を共にするのはやめるべきだ、黄金さんには釣り合わない。」



「釣り合わないって、どういうことですの?」





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