１Ｒの彼女

結局、片付けも掃除も夕飯も全部俺一人でやった。



結子さんのこの行動。
演技なのか？
計算なのか？


夕飯を出したときの結子さん。

「うわぁ～、ワンプレートだぁ。カワイイ！！タクってば天才。」

こう素直に喜ばれると、俺だって男だ。
悪い気はしない。
おまけに美人。
許してしまう自分が情けない。


「あ、シイタケ入ってる！！アタシ食べれない。タク食べて。」

フォークにシイタケを刺して、俺の口の前に持ってくる。
これって『あーん』してあげるって意味なのか？

どうしよう。
願望がないといったら嘘になる。
してもらいたいけど、親しいわけじゃない。

やったらやったで、
『彼氏でもないのに、キモイ！！』
なんて言われそうだし。

そんな葛藤が頭の中でぐるぐるする。

俺がそんなことを考えてるとはつゆ知らず。
シイタケを俺の皿に放り込み、再び食べ始めた。



人が一人増えただけなのに、２倍以上の疲れだ。
心も体も疲れた。

気楽なひとり暮らしを返してくれ。