1Rの彼女
9.room
そのかわりに、チャイムが鳴る。

ピンポーン。


何だよ、こんな時に。
面倒くせぇな。ドアまで行くのも面倒だ。
居留守するか?

そんな俺の気持ちとは裏腹に、しつこくチャイムは鳴る。


出ればいんだろ、出れば。

のろのろと立ち上がり、玄関まで行く。
ドアスコープを覗く気力もない。
そのままドアを開ける。


「どちら様ですか…?」




まるで、時間が止まったようだった。


目の前にいるのは?
俺、頭おかしくなったのか?
会いたいって気持ちが強すぎて、幻でも見てんのか?


あの日の出来事が蘇る。


「なんで…?」




< 79 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop