相合傘



御馳走様でした。と手を合わせたアキちゃんは、お皿を下げると玄関へ。

「あれ?今日はもう帰るのか?」
「…あ~、うん。明日ちょっと用事あって」
「そっか」
「だから朝食と夕食、明日からいらないから」
「あ、うん。分かった」
「おやすみ」
「うん、御休み」

バタンと閉まるドアの向こう。
アキちゃんの顔が、微かに悲しそうに見えた。

そっか、明日から朝食と夕食いらないんだ。
なら、明日からは簡単なもので……ぇ、え?



……明日“から”!?



って、どういうコトですか…ッ!?


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