ハツカレ ノ カオリ
ちょうど会話が途切れた時、他の電車組の子たちも到着して、改札口から出て来て学校へ向かった。
なぉの様子に気付いた他の子たちも、心配して声をかける。
でもなぉは
「ちょっとね…。
でも大丈夫。」
それだけ言う。
作り笑顔で。
皆もそれ以上聞かなかった。
なぉはずっと、ぼんやりうつむき気味で歩いていた。
私はそんななぉに、下手な励ましをかけるのが嫌で、見守る事しか出来ない事が辛かった。