【企】ひびき
雪とバス停

 次の日も、規則正しくいつもの時間に家を出た。


 心の中はものすごく暗いのに、今さら習慣を変えられないのか、勝手に体が動く。


 手が・・・足が・・・口が・・・全てが勝手にあたしをつくりあげていく。



「・・・今日、休んでたらいいのに。」


 
 バス停に着く前、ポツンと呟いてみたけど、やっぱりその人は今日もバスを待っていた。


 
 ・・・ん?

 何でだろう・・・今日は立ってバスを待っている。

 しかも本を読むどころか隣を見てしゃべっている。


 ちょっと角度を変えて、もう一度その人を見る。


 ・・・するとそこには・・・。



「あっ、ちょ、実花、マフラー返せよ!」

「アハッ、取られるそっちが悪いんじゃん!」



 
 昨日ケータイで話していた「ミカ」と呼ばれる女の人がいた・・・。 


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