【企】ひびき

「・・・っ、嬉しくって・・・。」


 嗚咽を漏らしながらも、あたしはしゃべる。


「あたしのこと見ててくれたのが、すっごい嬉しくって・・・っ。」


 その人はあたしの言葉にしばらく目を丸くして聞いていたけど、急にフッと笑ってあたしにしゃべりかけてきた。


「・・・君の名前は?」

「・・・え?」


 びっくりしてその人を見上げると、その人はさっきと変わらない笑みであたしの方を向いていた。


「柊・・・有香です。」


 あたしも涙が目に溜まったまま、笑いながらその人に返事した。


「じゃぁ改めて言います。俺は柊有香さんがずっと好きでした。・・・友達からでもいいんで、良かったらメアド交換してくれませんか?」

 ・・・夢・・・みたい。


「・・・はい・・・っ」


 そう返事した瞬間、空から雪が降ってきた。


「・・・あ、忘れてた。」

「・・・え?」

「俺の名前。雪・・・って言うんだ。コレと同じ。安積雪。」


 「雪・・・くん。」


 そう言うと、その人・・・雪くんはあたしに思いっきり笑ってみせてくれた。


 
 ・・・大好きだよ、雪くん。

 

 

 ・・・・・・・END・・・・・・・・


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