アンバランスな恋心

二度目の夜

「高校の友人とはもういいの?」

光ちゃんが玄関から
入ってきた

…って玄関から入ってくるのが
当たり前なんだけど

光ちゃんがまだ隣の家で
生活していたときは
瑛ちゃんと一緒に
ベランダから来ることが
多かったから



呼び鈴を押して
光ちゃんが玄関から
入ってくるのって

まだ慣れないよ


「夕飯、食ってきたし平気だよ
それより
真琴と一緒にいたい

服、買ったんだ」

ジャージから服に着替えていたのに
光ちゃんは気づいてくれたようだ

ソファに座っている私の横に
座ると光ちゃんは
キスをしてきた

唇に軽く

そして首筋にも

あいている手は私の体を抱き締める

「光ちゃん?
酔ってるの?」

「お酒は飲んでないよ」

「どうしたの?」

「何が?」

「だって……
ココさんはいいの?」

ココさんから
二人の関係がすでに
終わっているのは
知っている

でも
光ちゃんの口から
付き合って

そして
別れたとは聞いてない

だから
聞くまで
私はココさんと光ちゃんが
付き合っていると
誤解しているフリをするの

だって
ちゃんと光ちゃんの口から
知りたいから
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