~不思議の国のアリス~
キティがあからさまに嫌な顔をした。平気で人を殺せるこの子にこんな顔をさせられるなんて、………よっぽどの人なのね。
『あーらら、どうしてくれるんだよ。コイツ等俺の部下なんだぜ?まったく、猫君は酷いことするなぁ』
コイツ等、と言う時にチラリと倒れたままの兵士達を見る。
私は横目でエースと呼ばれた男を見る。何故横目かというと…
そいつが私の肩に顎を乗せているからだ!!
いきなり声がしたと思ったらすぐ横に見知らぬ男の顔があり、しかも抱きつかれている。
『まっ、いいや。そいつ等ただの役なしだしね。でも、報復はしないとな?』
その場の空気がガラリと変貌する。知らない間に握っていた手が嫌な汗て湿っていく、心臓をわしづかみされた様な圧迫かん。
そして、首筋にはギラギラと不気味に光る大きな長剣。