摂食障害~ダイエットに潜む小さな罠~



食べない事に限界を感じた体は悲鳴をあげるから、あの手この手でなだめながら過ごす。



「誰かと一緒なら食べられるの」



そう、食べてるのに太らない自分になりたくて口にしていた事もある。



そして実際に、仕事帰りにご飯に行ったり、通っていた飲み屋さんで出されるフードは食べるけれどそれ以外は何も食べない生活を続ける。



自分が待ち望んだ通り



「あやちゃんって結構食べる割に太らないよね?」



その言葉を聞く為だけに頑張れた。



「いやいや、しっかり太ってますって!!」



それも、言いたくて言いたくて堪らなかった言葉だ。



ダイエットに必死になる姿はひた隠して、自然と太らない自分を演出していく。



背中に見えない透明な文字で「馬鹿」だと書かれている事には、気付く筈もない。



< 22 / 120 >

この作品をシェア

pagetop