イケメン☆パーティー

「あの、お話はよくわかりました。
じっくり考えたいので、今日はこれで帰りますっ」

あたしはバッグを手にして、逃げるように玄関へ向かった。

「え、じゃあ送るよ」

パンプスをはいたあたしは、追ってきた秋山さんを振り返った。

「大丈夫です!お邪魔しました!」

あたしは秋山さんの目を見ずに頭を下げ、外に飛び出した。


なんてことっ!

秋山さんが転勤だなんて。

どうしよう、

どうしよう、

どうしよう…………


家に向って歩きながら、あたしの頭の中は「どうしよう」がずっとリフレインしていた。




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