イケメン☆パーティー



その週の金曜日。


秋山さんについていくか気持ちが決まらないまま時間だけは過ぎ、あたしは自分自身にいらだたしさと情けなさを感じていた。

本当にどうしよう……

会社帰りの駅のホームで、あたしはため息をついていた。


「あれ?かりんちゃん!」


呼ばれて顔を上げると、水野さんだった。

あたしは慌てて会釈した。

「今帰り?
結構遅くまで残業してるんだね」

会社を出たのは8時だった。

「来週、秋山さんが転勤されるので、あたしにも少しだけ引継ぎがあって。
でも、あたし以外のメンバーはみんなまだ残ってましたから、あたしは早い方です」


秋山さんの東京での仕事もあと数日だった。


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