イケメン☆パーティー


「どうか入賞しますように!」


原稿を投函したのは、クリスマスイブの土曜日の午後だった。

あたしはポストに向かって手を合わせたあと、よく晴れた冬空に向かって大きく伸びをした。

「あー、終わったぁ」

まるで試験会場から出てきた受験生のような開放感があった。

合否の行方はわからないけれど、とりあえず全力を出し切った。

あとは結果を待つのみ。


帰り道、ふと見回せば、どの店にも『Merry X'mas』の文字があった。

あーあ、今年はクリスマスなんて、何にも考えてなかったなあ。

何の予定もないイブ。

せめてクリスマス気分を味わいに、テレビでやってたイルミネーションでも見に行こうかな。


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