俺様王子の秘めゴト

陽動

そして、その翌日から私は生徒会メンバーを、生徒会室を避けるようになった。








その代わり、嫌がらせは一切ない。








それから2週間。








魔王のお迎えもなく、きっと昨日中に耳に入っているからなのだろうが正直、どうでもよかった。








「華南、いいんだな?」







机に突っ伏して外を見ている私に茜は問いかける。






「何が?」








いいって何がよくて何が悪いの?







そのままの格好で力なく答えた。







「生徒会、辞めて良かったの?」






よかったのって…








「きゃゃーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」








黄声。








その声にすぐ反応し立ち上がる。







「華南?」


「しっ!!」










人差し指を口許に持ってきて静かにのポーズ。








「生徒会メンバー全員そろってる!!!!」








黄声がだんだん大きくなる。








よりによって全員で歩いてるとは…。








「きゃー!王子~!」


「圭様ぁ!!」



「あゆせんぱ~い!!」



「三郷先輩ぃ!」





絶対に見つからないようにせねば!!!







「茜、私は…逃げるよっ!!」







だんだんと近づいてくる黄声。







それは奴等が近づいて来ているのを示し、私はそれから逃げるように離れる。





いや、ようにじゃなく逃げるんだ。



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