俺様王子の秘めゴト

勘違い

「んっ…ふぁぁぁ。」


「大きな欠伸。」



翌月曜日。



これから起きる玖城先輩の不可解な行動なんて予想もせず、私は暢気に欠伸をしていた。



「眠い…」

「でしょうね。」



隣で茜が呟く。



それは朝から起きた。



「で、個展上手くいったの?」



頬杖を着き、どーでも良さそうに茜が聞いてきた。



「いやそれが散々。」



茜は、私が華道家元の娘だって知っている。



英にぃと兄妹だとはしらないけど。



だから週末の個展の事も前もって話していた。



「何?何やからした?」


「それがさぁ…。」



途端楽しそうになる茜。



それを苦笑しながらも何があったのか全部話した。



「…へぇ…。」



へぇって…それだけ?



「家元は?どうだったの?」



どうって…。



思い出す。



あのあとの事を…



「…褒められた…?」


「へぇ…なんで疑問系?」



あれは褒められたって言うのか?













『些か不安な部分があったがまぁ、泥を塗らずに済んだな。』











……。



「分からん。」

「おいおい。」



呆れる茜。



「それよりも、王子来たんでしょ?それでお菓子に目がくらみ主語吹っ飛ばして…告白かっ!!!」



…ごもっとも。



「いや、私もね、なんて言うか…」


「華南はお菓子に目がないもんねー!!」



…反論出来ない…。



「まぁいいじゃん、誤解といてるんでしょ?」


「まぁ…一応。」



案の定震え上がるほど睨まれましたが。
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