人間ペットショップ
「…すいません、奥で作業をしていたものですから……」

そう言って、芝樹は顔を上げた後、エプロンをはたいた。

確かに彼のエプロンはオイルなのか何なのか、赤黒く汚れていた。


「あ、いえ、いいですよ…そんなこと気にしなくても…」


さちは、申し訳なさそうに立つ芝樹に向かって、そう話すと、彼は幾分か安心したようだった。


「それより…いったい何の用なんですか?」


「はい…私の躾が至らないばっかりに、またお客様に不快感を与えてしまって…本当に申し訳ありませんでした…」


彼はまた頭を深く下げた。


「……うう~ん。確かに今回ばっかりは、私もちょっと腹が立ちましたけど…」

それを聞くと、芝樹は頭を下げたまま、もう一度謝った。



…でも、結局何事もなくすんだんだから、いいんだけどね…

少し間を置いた後、さちは、

「あの…私…新しい人が必要なんですけど…」

と言った。
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