人間ペットショップ
「こちらがご所望のヒトでございます。」
「…ありがとう。」

うん…これなら…大丈夫ね。なんとかお見合いは回避できそう…



さちは、そう考えた後、昨日気になった事を聞くことにした。


「あの…芝樹さん?」

「はい…」

「なんで昨日、私はここに入れなかったの?」

「……お客様は、条件を満たしておりませんでしたから…」
「え?……でもコウジを受け取った時は入れたのに?」

「コウジ?…………あぁ、あの時はですね…まぁ、今回もなんですが……こちらの不手際ということから、私の方からお客様に干渉させて頂きました。」

「えっと…どういうこと?」

「つまり、私はお客様の世界に、ある程度なら、干渉することができるのです。」


ふ~ん、そうなんだ。


さちはなんとなく理解したが、これ以上突っ込んでも、理解できないだろうから訊こうとはしなかった。
< 36 / 56 >

この作品をシェア

pagetop