空の涙 君の手で
『夏那ちゃん…ごめん…。夏那ちゃんは俺にとって奈七と同じくらい大事だった。気がついたら奈七じゃなくて俺の頭には夏那ちゃんがいた。自分で怖くなった。だから、奈七といる時間を無理やり長くした。どうにかなると思ってた。でも…どうにもできない俺を…俺を…許せ…。好きだ…好きだ…夏那ちゃん…。好きだよ…夏那ちゃん…。』

先輩が黙った。

私はこのまま付き合ってしまえって思った。

でも、だめだと思った。

きっちり後始末をしてから来てほしい。

いまは先輩を素直に受け入れられない…。

うれしいけど、この気持ちには答えられない。

「先輩…嬉しいです…。けど先輩のきもちには答えられません。私から言っといておかしいですよね…。でも先輩には素直な気持ちを大切にしてほしいって…そう思ったんです。だから…だからこそ…奈七先輩を大切にしてあげてください。じゃぁ…さよなら。また連絡待ってますね。その時はあたしのだぁぁぁい好きな笑顔見せてくださいね!!!さよなら。」

私は電話を一方的に切った。

でも…これからも先輩を思っていてもいい…。

そう分かっただけで幸せになれた。

電話して…良かったな…。

そう思ってケータイを閉じた。

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