Automatic Dream
絵画的考察
と言う訳で時は現在。

先程の夢から目覚めて、ボーッとした頭で時計に目をやったところだ。

針の野郎は、3時半の辺りでカチコチやってる。

そっか、夢か……。

夢ね……良く考えれば、これは記念すべき事なんじゃないか?

18年間で初めての、生まれて初めての夢になる訳だし。

と、徐々にはっきりして来た頭で思った。

そういやあの女……我が名と同じ名を冠するらしいあの女は、なんと言っていたか。

いや待て。

いくら初めて見た夢とは言え、夢は夢。

信じてしまうのも、どうかと思う。

これでも一応、正常な精神構造を持っているつもりだ。

初めての夢を、しかも馬鹿みたいにリアルな夢を見たからと言って、鵜呑みにする、と言うのもな……。

大体、リアルだったとは言うものの、それは今まで夢を見た事のなかった男の主観な訳で、夢とは一様にあの程度のリアルさを付帯した物なのかも知れない。

とすれば、あれはただの夢であり、何ら意味を持たない、全く気に留める必要の無い物、と言う事になる。

そう言う事にしよう。

なんか考えるのも面倒だ。

それに今の俺は、他に脳漿を搾るべき事項を抱えているのだ。

夏休みをたっぷり満喫した期間、およそ4週間あまり。
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