148㎝の王子様
そういえば、束莎が…、

『桜の木のところに行くといいことあるんじゃない』

って、言ってたかも知れない…!

「言ってみるっきゃない!!」

急いで下駄箱まで走り出す。

下駄箱までたどり着くと靴を急いで履きかえ、また走る。

お願い…!いて…!!!

無我夢中で走った。周りの音なんて聞こえなかった。


やっとたどり着くとそこには愛しい人の姿が。

「いつき…!!!」

いつきのところまで駆け寄り、膝に手をついて呼吸をただす。

「吉野…。大丈夫か??」

「…っうん……だい…丈夫……」

全速力だったから息が上がってなかなか治らない。

「いつき… な…んでここに??」

あまりにも偶然過ぎる。

だって束莎が『桜のところにいけば』なんて言ったら、いつきがいるなんて。


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