臆病な生徒会長
「付き合ってないのにキスされたの?」
新菜先輩が可愛い顔を近づけてきたので、
女の私でもドキッとした。
「・・・はい。」
「そうだったんだ・・・。」
それから沈黙がつづいた。
どうしたんだろう。
「ねぇ、織。
悠夜にキスされて、イヤだった?」
少したって新菜先輩が話だした。
「え・・・?」
「悠夜の事、嫌いになった?」
嫌いに・・・?
悠の事を・・・?
そんなこと・・・・・・
「考えてなかった・・・。」
「織がチカンにあった時、悠夜に知られてイヤじゃなかった?」
「・・・イヤ・・・でした。」
うん・・・あの時私は、
悠にだけは知られたくなかったって思った。
「もし私と悠夜が付き合ったらどうする?」
・・・え?
「悲しい?胸が痛い?」
二人が付き合っているところを想像した。
うん・・・
「すごく悲しい・・・です。」
なんでだろう?
でも、想像してみたらそう思えた。
「どうしてかわかる?」
私は首を横にふった。
だってわからないんだもん。
「教えてあげようか?」
新菜先輩が悪戯な笑みを浮かべた。
知りたい・・・。
「はい。」
「織はね?」
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