就活ラブ -gleam-
「それのどこがわけわかんないの?」

俺は脱力しながら聞いた。


「女嫌いでもないのに告白全部断るし、彼女欲しいとか一切言わないし。俺らもう大学入って3年だよ?おかしくない?」


「おかしい!」

アキちゃんまで変なことを言い出す始末。

俺にはなにがおかしいのか全く理解できない。


「そうかなー?」


けれど次のアキちゃんの言葉にはさすがに俺もうろたえてしまった。


「だって大学入ってからヤッてないってことでしょ?溜まんないの?」


俺と尚基は揃って挙動不審になる。

いや、尚基と違って俺は別に恥ずかしがっているわけじゃない。


でもここが駅前のスーパーのまん前だと言うことを考えれば自然な反応だったと思う。


とりあえず誰にも聞こえてないみたいだったから安心して、俺は音量を最小限に抑えて言った。


「そんなのはさ、部活で体動かしてれば発散されるんだよ」

「ダイっ!真面目に答えなくていいんだよ!」


ますます慌てだす尚基に、こいつはいつまで経っても変わんないな、と俺は微笑ましく見ていた。

俺はいじられキャラでもなければいじめキャラでもないけど、尚基は見ているだけでも和まされる。



「へえー、そうなんだ。なんか私の周りにはいないタイプだな。ダイちゃんだっけ?」



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