応援団長の恋するチョコレート
「やるわね
お兄ちゃん!
停学なんて男の勲章よ」

母親が明るい声で言う

なっちゅー親だ
息子が停学中で
残るは自主退学を待つのみっていうときに

俺はため息をつくと
楽観的な母親を見た

母親は鼻歌で腰を振りながら
冷蔵庫を開けていた

「ほら男の証よ
飲みなさい!」

親父の缶ビールを
差し出した

「俺、未成年」

「固いこと言わないの!
こういうときは飲んで、
飲んで…飲みつかれて眠るのよ」

「なんかの歌かよ」

「お兄ちゃんは私に似て
良い男よ」

「いつから男に性転換したんだよ」

「良かったじゃない
あんな学校に未練なんか
ないでしょ?

それに堂々とあの子と付き合えるじゃない」

「…そういう問題かよ
俺は停学になったんだぞ?

普通、怒るだろ
親なら…」

「あら、怒って欲しかったの?
お兄ちゃんってもしかしてM?」

「はあ?」

母親の質問に
俺の顔は固まった?

本当に俺の母親か?

母さんは
ダイニングにある椅子に座ると
俺の顔を真剣な顔で見た

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