冬うらら2
●
 カイトが、あのベッドを分解している。

 彼と、初めて――

「ん?」

 視線に気づいたのか、ふっと顔が上がる。

 そして、メイの方を向いた。

「あっ! さ、寒くない? ストーブつけるね」

 見とれていたことに気づかれるのが恥ずかしくて、彼女は慌てて取り繕うために動いた。

 ちっちゃなストーブには、灯油を入れっぱなしだった。

 だから、まだつくはずだ。

 予想通り、ストーブをつけることに成功して、メイはぱっと振り返った。

 カイトはドライバーを持ったまま、まだ彼女の方を見ていて、胸をドキドキさせる。

「あ、あの…そのベッド、どうしよう…」

 バラして運ぶのはいい。

 でも、最終的にベッドはどうしたらいいのか分からなかった。

 あの家に、パイプベッドは必要ないのだ。

 部屋には一緒に眠れる大きなベッドがある。

 客間にもそれぞれちゃんとベッドがあるのだから、本当にそれは不要なのだ。

 帰りに、リサイクルセンターに置いてきた方がいいのだろうか。

 でもでも。

 2人が初めてそういうことになったベッドを、他の誰かが買って眠る―― とか考えると、やっぱり何となくイヤだった。

「空き部屋にでも入れておく」

 カイトの視線が、ベッドに向く。

 最初からそう考えていたような、よどみない口調だ。

 そっか。

 メイは思った。

 そのベッドに、カイトは大きな関心がないようだ。

 他の荷物と、同じような扱いのようである。

 でも、いいのだ。

 メイは、再び段ボールの中に、持ち帰るものを詰め始めた。

 捨てる、と言われなかっただけよかったのだ。

 少なくとも、あのベッドは人手に渡ることなく、家のどこかに存在し続けるのだから。
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