走り出せ、コスモス*


「違うの!! あのね、黙っててごめんね

あの日、駐車場で待ってた日、先生だと思って間違って片桐先生に抱きついちゃったの

だから、その…その時じゃないかな?シャンプーの匂いとかしたの」

「え…じゃあ片桐先生のことは?」


先生はこっちを振り向いた

「すきじゃないって!!」

もー びっくりするなぁ

「沙枝ちゃんっ!」

きゃっ!

がばっと抱きつかれて、息が苦しい


「ラウンド2いこ」

「え やだっ」

「やだじゃない

片桐先生には抱きついたんでしょ 俺にはしてくれたことないのに」

それは…先生にしようとして間違っちゃったわけで

てか、先生にもしたことあるって!!


「なんで隠してたの 俺そんなに信用ない?」

「ち…っ違うよ!

そりゃあ言わなかったのは悪かったけど…っ」

「だめ 許さない」



その後先生は若干の遅刻はしたものの、ちゃんと塾に行った

俊子によると、前日までと別人のようなテンションだったとか

私がその次の授業に行ったとき、みんなにニヤニヤされたのは、言うまでもない



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