それでもあなたが好き
初恋の思い出-美術室-



次の日から、優は放課後、美術室でモデルをやってもらう事になった。






「じゃあ、優君は、そこに座ってるだけでいいからね。」





「ずっと座ってるのか…?」




「そう。なるべく顔はこっち向けててね。」





「…………」




優は、挙動不審になっていてなんだか笑えた。




「あははは。優君!もっとリラックスしていいんだよ?」




「だって…なんか恥ずかしいぞ。無言で顔見られるのって…」





「そうだよね…じゃあお喋りしながらだったらリラックスできる?」




「喋ってても絵、集中して書けるのか?」




「大丈夫。てか、優って呼んでいい?」




「え…?」





「優君より優のほうが言いやすいし。私の事、百合って呼んでよ!!!」




「ゆり…」





「そう。花の百合。本当は名前、向日葵(ヒマワリ)が良かったな〜なんて(笑)」





「百合って名前も…似合ってるぞ。」





「本当に?ありがと。」





「なぁ、百合の隣にあるヒマワリの絵…百合が書いたのか?」





「あーそうだよ。これコンクールに出すの。」





「綺麗な絵だな…すごいな…」





優は、私のヒマワリの絵を感心して褒めてくれてうれしかった。





「でも〜優の絵がうまくいったらこっちをコンクールにだそうかな?」





「そ…それだけは勘弁…恥ずかしい(照)」





「あはは。本当に優ってすぐ照れるよね(笑)面白い!!!」




私はなぜか大笑いしてしまった。





「…本当によく笑う女だな。」




優もクスっと笑った。




< 8 / 10 >

この作品をシェア

pagetop