それでもわたしは生きている

私の中では解決できたと思っていた、サイトウユミとの件は、ナオキにとっては、もう2度と私と心を通わせることのできない結果を生んでいた。


そんな事には気付かぬまま、妊娠8ヶ月目を迎えた。

この頃になると、ナオキの行動の変化に私も気付き始めた。


今まで、浮気をしても絶対に朝帰りのした事のなかったナオキが、初めて朝帰りをした。

昼前に恐る恐る帰って来たナオキは

「怒ってるやんな…ごめんな…」

と、申し訳なさそうにしている。

私は怒ってはいなかった。

逆に心配してたくらいだ。

もう浮気をしているんじゃないかという不安はなかったので、本当に怒ってはいなかった。


ナオキは服を着替えながら言った。

「ごめん、ツレ待たしとうから行くわ!」

「え?また行くん?」

「ほんまごめん!電話するわ!」

そう言いながら、足早に玄関を出て行った。

「ちょっと、ナオキ!」

私はお腹が大きくて素早い行動が取れず、ナオキを追いかけられなかった。


「もうっ!遊び過ぎ!」

まだその程度だった。

だけど、ナオキの朝帰りはどんどんエスカレートしていった。

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