悪魔は甘く微笑んで【恋人は魔王様 番外編◇ドリーム小説】
「で、どうするつもりなの?」

家までは、後5分も経たずに到着してしまう。
彼はさっきと同じように歩いているだけで、別に何かしらをしてみた素振りはない。

「別に?」

にこり、と。
その綺麗な顔は満面の笑みで縁取られる。

「そうだ。
ねぇ、帰ったらピアノ、聴かせてよね」

「私、家にピアノが置いてあるなんて言ったっけ?」

当然のように頼まれるので、思わず首を捻る。

とん、と。
ジュノは私から手を放して、一歩前に立つ。

「何言ってるの、キヨミ。
昨日も聞かせてくれたじゃない?」

……はい~?

「嫌だな、とぼけちゃって。
おばさん、ただいまー」

そういうと。
ジュノは私よりも先に、うちの玄関を開け、勝手に家へとあがっていった。

呆気にとられている私を置いて。
ごく、自然な仕草で。
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