秘宝-戦い-第Ⅰ幕
「貴様ら、隣国の者か?」

アレンが聞いた。

「違います。わたくしたちはアルドリアン王国の者です」

「本当か?」

「アレン。違うって言ってんだし、いいじゃん」

ユカはアレンに囁いた。


何故、こんなにも人を疑うのか、分からない。


「ユカ様、アレン様、わたくしたちの村で食事をして下さい」

サモンが言った。


アレンは迷った。

確かに、この人たちは隣国の者ではなさそうだ。

しかし、ここで寄り道していいのだろうか…?


「是非、させてもらいます!」

ユカが答えた。

サモンたちが歩き出す。


少し距離をとってアレンとユカは歩いた。


「ユカ、寄り道していいのか?」

「この人たち、私たちがくることを知ってたんだよ?
だから、他にも知ってることあるんじゃないかな?」

「なるほど…」


アレンは自分の頭の回転の鈍さに腹が立った。



村に着いた。

きれいな村だ。


二人は大きな屋敷に連れて行かれた。

広い部屋でアレンとユカは待たされた。


サモンが料理を運んでくる。


どれも美味しそうだ。


「お二方はどちらへ行かれるので?」

サモンがパンを食べながら聞いた。


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