月と太陽の事件簿3/ツといえばカ
そして給湯室へかけこみ「捜査一課二係」と書いてある戸棚を開けた。

そこに置いてあったのは1ダースの缶コーヒー。

あたしはそのうちの1本をつかみとると、急いで会議室へ戻った。

達郎はボードの前で固まったままだった。

しかしあたしが缶コーヒーを差し出すと、無言でそれを受け取り、しっかり握りしめた。

達郎には変な癖がある。

事件を推理する時、必ず缶コーヒーを手にするのだ。

何でも初めて事件を解決した時、たまたま缶コーヒーを手にしていたそうで、それ以来の癖になっているらしい。

だからというわけではないが、警視庁内には達郎用の缶コーヒーが常時キープされている。

あたしが缶コーヒーを取りに行かされたのは、あたしが達郎のお目付け役を命じられてるからだろう。

でもそれってお目付け役ではなく、召し使いの仕事だと思うのだが。

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