魔王さま100分の2

「それとな、」

キーヤは、視線をシルキスに戻す。

「おまえが試す前に、俺が魔族として船に乗り込んでやる。それで様子をみろ」

昇っていく朝日。

陽の輝きは、
よりはっきりと地上に色をつけていく。

「いいのか?」

「人間の勇者に言われるまま、見張りと運び屋ばかりをするのは癪なだけだ」

「あー、」

シルキスは、キーヤに何を言うべきか考えた。

「とりあえず死ぬなよ」
「死ぬかっ」

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