魔王さま100分の2

おそらく、シルキスが寝ている間に開かれた魔族会議。

誰が主導したかは追及しないとして、魔王さまが前線に出ないということだから、全会一致で決まったことだろう。

それでなくても、魔王さまが決めたことなら、魔族にとっては絶対だ。

「そうですか、僕はクビですか」
「おう、クビだぞ。諦めて私といろ」

魔王さまは、喉も身体もごろごろさせてシルキスにすりつく。

小さな魔王さまの誘惑。
シルキスは、自身の心に従って誘惑にのった。

「はい、では久しぶりに僕と魔王さまで過ごしましょう」

「いい返事だ。褒美にキスさせてやろう」

「私の目の届かないところでしてください」

アイオネの視線が、さらにトゲを増していた。

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